こんな症状ありませんか?
- 腹痛
- 胃の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 下痢や便秘
- 体重の減少
- 食欲がない
Stomach
胃腸内科では、主に食道・胃・十二指腸、小腸、大腸を専門に診療しています。当院では胃腸の不具合と併せて肝胆膵疾患の初期診療も考慮して対応しており、胃や大腸に限らず、なにかしらおなかの不調がある場合、当院にご相談いただければ診療が可能です。一部分のみを診療するのでなく、消化器全体を診て患者様の不調の原因となる病気を見つけます。
食道がんは、食道の内面をおおっている粘膜の表面からでき、同意にいくつもできることがあります。扁平上皮がんといわれるタイプは、食道がんの約90%を占め、食道の中央付近に発生することが多く、飲酒や喫煙との強い因果関係が指摘されています。飲酒で顔が赤くなる方も要注意です。
最近はピロリ菌の除菌が普及し、胃酸の分泌が亢進することで逆流性食道炎が多くみられ、食道の下の部分がバレット上皮と呼ばれる状態に置換されることがあり、前がん病変として注目されています。
食道がんは、初期には自覚症状がないことがほとんどです。がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、飲食物がつかえる感じ、体重減少、胸や背中の痛み、咳、嗄声させい(声のかすれ)などの症状が出ます。
逆流性食道炎は、胃の内容物(主に胃酸)が十二指腸に流れず食道に逆流してしまう病気です。食道の粘膜は胃酸に弱いため、逆流する時間が長くなると食道に炎症が生じてしまいます。健康な人でも胃酸の逆流がみられることはありますが、時間が短いため問題ないといわれています。
通常、食道と胃のつなぎ目にある筋肉(下部食道括約筋)の働きにより、胃酸など胃の内容物は食道に逆流しないようになっています。しかし、加齢による影響(食道裂孔ヘルニアが多い)、胃内圧の上昇(早食い、食べ過ぎ)、腹圧の上昇(締め付けるような服装、肥満)、食生活の乱れ(高脂肪食、過度の飲酒)などによって、逆流性食道炎が起こりやすくなるといわれています。また、ピロリ菌の除去をしたことで胃酸の分泌が活発になり、逆流性食道炎を誘発してしまうこともあります。
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸によって胃や十二指腸の粘膜が荒れて潰瘍ができる病気です。胃や十二指腸は粘膜に守られていますが、健康のバランスが崩れると、粘膜の保護力が低下して胃酸によるダメージを受けてしまいます。
胃や十二指腸潰瘍の原因には、食生活の乱れ(塩分、辛いもの、熱いもの、カフェインを多く摂る)、飲酒、喫煙、ストレスなどがあります。症状には胃痛、吐血、血便などがあり、がんとの区別が困難な場合があるため注意が必要です。
胃がんとは胃に発生するがんの総称です。胃がんの原因には各種胃の疾患から発生するもの、ヘリコバクター・ピロリ菌によるものが大半を占めることが分かってきましたが、ウイルス感染、塩分・飲酒・喫煙・刺激の強い食べ物の摂取なども原因となり得ます。症状には腹痛、嘔吐、吐き気、食欲の減少、体重減少、黒色便の発生などがあります。
胃の壁は層構造になっていて、がん細胞は粘膜から外側に向かって進行します。がん細胞が胃の壁を貫くと、大腸や膵臓にも浸潤する他、多くはリンパ節に転移します。また、進行すると腹膜全体や血液にのって全身に転移することも多くみられ、極めて治療は困難になります。早期診断が極めて重要です。
胃に炎症が起こる病気で、急性胃炎、慢性胃炎、神経性胃炎などがあります。
急性胃炎は胃の粘膜が突発的に炎症を起こし、腹痛や嘔吐、出血などの症状が突然現れるのが特徴です。原因には、アルコールの大量摂取や薬剤の摂取などがあります。
慢性胃炎は胃の炎症が長期間持続している状態で、腹痛、胃もたれ、吐き気などの症状が現れます。原因は、ピロリ菌の感染によるものが多いといわれています。
神経性胃炎は急性胃炎の1つで、ストレスや不安などを強く感じることで起こります。胃酸の過剰分泌や胃の異常な収縮など、ストレスによって胃の働きが悪くなることが原因です。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の粘膜に生息する細菌で、世界人口の約40~50%が感染しているといわれるポピュラーな病気です。ピロリ菌の感染には乳幼児期の衛生環境が影響すると考えられており、多くは免疫力の低い乳幼児期に感染が成立するといわれています。ピロリ菌の感染は、胃潰瘍や胃炎、胃がんの原因になるため注意が必要です。
ポリープとは病気の名前ではなく、粘膜に膨らんだイボのように見える粘膜の総称です。大腸にできるポリープは全てががん化する悪者ではありませんが、将来的にがん化の可能性があるポリープは腺腫と総称され、いくつかのタイプがあります。腺腫は小さいうちに切除することで将来の大腸がんの予防につながります。また、鋸歯状ポリープと総称されるポリープもあり、過形成性ポリープ、SSL、TSAなどに分類されます。このうち過形成性ポリープは非腫瘍性とされ、がん化リスクも低いとされてきました。しかし、SSL(右側の大腸に好発)やTSAといったポリープはがん化リスクが指摘されており、さらに、前述の過形成性ポリープが前駆病変の可能性もあり、まだまだ未知の領域が大きい分野です。腺腫やSSL、TSAといったがん化リスクのあるポリープの早期発見が、大腸がんの予防に重要です。
大腸(小腸などによって消化吸収した食物から水分を吸収する消化器官)に、悪性腫瘍ができる病気です。大腸がんには、腺腫(一般的な大腸ポリープ)からがんが発生するもの、腺腫以外のポリープから発生するもの、腺腫を介さず直接粘膜からがんが発生するものなどがあると考えられています。
発生原因ははっきりと解明されていませんが、欧米食の特徴である高脂肪、高蛋白、低食物繊維食に変化したことで大腸がんが増加したことから、食生活が深く関係しているといわれています。日本でも近年食生活の欧米化が進み、とくに動物性脂肪や蛋白質の過剰摂取が増えたことから、大腸がんの発生が増加傾向にあります。大腸がんを防ぐには、食生活を見直すとともに、検査をして大腸の病変を早期に発見することが重要です。
潰瘍性大腸炎は大腸粘膜が炎症を起こし、びらんや潰瘍ができる病気です。若年者から高齢者まで発症しますが、20~30代での発症が最も多くなっています。
症状には腹痛、下痢、粘血便などがあり、症状が改善したようにみえても数か月~数年後に悪化することがあるといわれています。もともと欧米に多い病気でしたが、近年は日本でも患者数が増加しています。
クローン病は小腸や大腸の粘膜が炎症を起こし、びらんや潰瘍ができる慢性疾患です。20代に最も多く発症しますが、ほかの年代にもみられます。症状には腹痛、下痢、下血、体重減少、発熱などがあり、いったん改善しても再発を繰り返すことが多いのが特徴です。
クローン病は潰瘍性大腸炎と似ている点が多く、2つまとめて炎症性腸疾患と呼ばれています。欧米に多く日本では比較的少ない病気ですが、近年は日本でも患者数が増加しています。
大腸に憩室(大腸の壁が内側から外側に突出して袋状になったもの)ができる病気です。大きさは1cm程度のものがほとんどですが、中には憩室の開口部分が2cmを超えるものもあります。
通常は無症状ですが、憩室内に細菌が感染して炎症が起こる大腸憩室炎や、憩室部の血管が破れて出血を起こす大腸憩室出血などを発症すると、症状が現れ治療が必要になります。
虚血性大腸炎は、大腸の粘膜の血流が一時的に悪くなり十分な血液が行き届かなくなる(虚血)ことで、大腸に炎症が起こる病気です。原因には、血管側の要因(脱水による血流の低下や、糖尿病・高血圧・脂質異常症などに伴う動脈硬化など)と、腸管側の要因(蠕動運動の亢進や、便秘・浣腸による腸管内圧の上昇など)があり、これらの要因が複合して発症すると考えられています。
高齢者や便秘がちな人に多くみられ、男性よりも女性に発症しやすい傾向があります。
感染性腸炎は細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体が腸に感染することで、腹痛や下痢、嘔吐などさまざまな消化器症状が現れる病気です。汚染された飲食物を介して感染する経口感染が主な感染経路となっていますが、人やペットから感染することもあります。
汚染された飲食物を介して感染する食中毒は、しばしば集団発生することがあります。